事例紹介

ベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学(HCMUT)について

はじめに


こんにちは。ジャパンクリエイト海外事業部です。

毎回、コラムの冒頭や文末で「ジャパンクリエイトは、ベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学の優秀な理系人材を日本の企業に紹介しています」

とご案内しておりますが、そもそも「ベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学はどんな大学?優秀な理系人材と言われてもピンとこない」

と思われる方もいらっしゃるかと存じます。

優秀な理系人材」と申し上げる背景には、以下の3点があります。

 

ベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学は…

◆ベトナム国内トップクラスの大学群に属している

◆日本の有力国立大学に匹敵する教育水準である

ABETAUN-QACTIなど国際認定を取得している

 

ここからは、これらの根拠を具体的に示すため、

ベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学(以下、ホーチミン市校工科大学)」の概要や特徴についてご紹介いたします。

 

ベトナム国家大学の概要


ホーチミン市校工科大学についてのご説明に入る前に、ベトナム国家大学の概要をご案内いたします。

ベトナムの国家大学は、首都ハノイおよびホーチミンにあります。それぞれの国家大学には、複数の専門大学で構成される大学群が連なっています。

例えば「ベトナム国家大学ホーチミン市校」には、工科大学のみならず、科学大学や人文社会大学なども属しています。

図として示すと、以下の通りです。

このように、複数の大学がベトナム国家大学ハノイ校・ホーチミン市校の傘下に入っていることがわかります。

ベトナム国家大学ハノイ校およびホーチミン市校は、ベトナムを代表する大学です。

国内ではハノイ校がトップ、ホーチミン市校もそれに次ぐ高い評価を受けており、QSアジア大学ランキング2026においても、

ハノイ校は158位、ホーチミン市校は175位にランクインしています。順位の近い日本の大学は千葉大学であり、176位でした。

両校はベトナム国内において、日本の大学で例えると旧帝国大学に相当する位置づけで認識されており、教育・研究の両面で高い評価を得ています。

また、先ほど千葉大学を例に挙げたように、日本の有力国立大学と比較し得る水準にあり、ベトナム国内外で存在感を高めています。

 

ホーチミン市校工科大学


次に、ホーチミン市校工科大学についてご案内いたします。同大学の前身は、1957年に設立された国立技術センターです。

その後、1996年にベトナム国家大学ホーチミン市校の一員となり、2001年に現在の名称である「ベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学」となりました。

現在は、「ベトナム南部において最大規模の工学・技術系大学であり、イノベーションや起業家精神の育成、技術移転に注力し、

国家の社会経済発展に大きく貢献」していると、ジェトロのレポートにも記されています。

 

ホーチミン市校工科大学の教育について


以下の通り12学部・35学科で構成されており、約25,000名の学生が在籍しています。

弊社「日越エンジニアプログラム」でご紹介している学生のうち、在籍者が特に多い学部は、

情報理工学部応用化学部電気電子工学部機械工学部の4学部です。(2026年8月現在)

また、ホーチミン市校工科大学は、国際的な教育水準を満たす大学として、以下のような国際教育認定を受けています

ABET(Accreditation Board for Engineering and Technology) は、

応用化学、自然科学、コンピュータ科学、工学、工学技術分野のプログラムを認定する米国の非営利・非政府機関です。

同認定は、大学の教育プログラムが、

卒業生がグローバルな労働市場における重要なSTEM分野で活躍するために必要な基準を満たしていることを保証するものです。

42か国950大学・カレッジにおいて、4,863のプログラムがABET認定を受けています。

 

AUN-QA(ASEAN University Network-Quality Assurance)は、ASEAN地域における大学教育の質保証を目的としたネットワークです。

ASEAN地域の大学間で教育水準の調和を図るとともに、学術水準の継続的な向上を促進しています。加盟大学は225校です。

 

CTIは、工学系高等教育機関および教育プログラムの認定、工学教育の質の向上、

ならびにフランス国内外における工学系カリキュラムおよびキャリアの促進を担う独立機関です。

加盟している教育機関は約200校です。

 

ベトナムの技術系大学の中で研究・教育の中核と認識されている


●国家重点研究室

ホーチミン市校工科大学内には下記2つの国家重点研究室があり、研究・教育の中核を担う大学として認識・評価されています。

 

◆デジタル制御およびシステム工学国家重点研究室

産業および民生分野におけるコンピュータを用いた設計・製造技術、産業および民生生産システム向けの自動計測・制御技術など

 

◆高分子・複合材料国家重点研究室

先進ポリマー、複合材料、グリーンコンポジット、生分解性、生体医療用ポリマー等に関する研究など

 

●国家大学大学重点研究室

ホーチミン市校工科大学内には、国家大学重点研究室も設置されています。

最先端研究および南部重点経済地域の経済・社会発展のニーズに奉仕することを目的としています。

 

◆化学・石油技術研究所

超臨界CO2技術による天然有効成分の抽出、膜分離、再生可能材料およびエネルギーに関する研究など

 

◆材料構造研究所

医薬品・光学的に関連のある芳香族複素環化合物の合成、グリーンケミストリーの原理に基づいた新規手法の開発、

バイオマス関連資源の新規変換法の開発など

 

◆高度廃棄物処理研究所

水および廃水処理のための膜ろ過技術、廃棄物処理における生物学的、物理化学的プロセス、廃水処理における微細藻類技術など

 

◆材料技術研究所

炭素ナノ材料の合成と改質、水素合成、ナノ材料、ポリマー用のナノ触媒および電気化学触媒の合成、特殊多孔質ナノ複合材料の合成など

 

◆内燃機関研究所

ホーチミン市に重点を置き、車両からの有害な大気汚染を削減するための技術的方法を研究し、

さまざまな種類の車両の排出係数を決定

 

●2つの国家戦略ネットワークを主導

2025年10月には、ベトナム政府により、ホーチミン市校工科大学が、戦略的技術分野におけるAIと半導体技術という

2つのネットワークの研究開発を主導する教育機関として選定されました。

国の最先端技術分野における人材育成や、先駆的な研究の推進という重要な役割を担っています。

 

●ベトナム郵政電気通信グループ(VNPT)との協力協定

ホーチミン市工科大学と国営企業であるベトナム郵政電気通信グループ(VNPT)は、

人工知能、半導体、チップなどの分野におけるコア技術をはじめとする

新技術の研究開発および応用を促進するために、戦略的に協力しています。

現在両者は、光伝導チップとエッジAIチップの共同開発を目指しています。

 

ホーチミン市校工科大生について


●ベトナム女子科学技術学生賞での快挙

2024年度ベトナム女子科学技術学生賞の受賞者20名のうち、ホーチミン市校工科大学からは5名の女子学生が受賞し、

その年で最多の女子受賞者を輩出した大学となりました。

受賞学生の中には、ベトナム機械工学ジャーナルに掲載された論文の筆頭著者や、

大学と感染症研究センターが主催するワンヘルスコンテストでの最優秀賞受賞者も含まれています。

 

●学術コンテストでの功績

中国のテクノロジー企業であるHUAWEIHUAWEI ICT COMPETITION 2024-2025 GLOBAL FINALにおいて、

ホーチミン市校工科大学が一等賞を受賞しました。

他にも、ASEAN Cyber Shieldの国際サイバーセキュリティコンテスト2025において、

ホーチミン市校工科大学は学生部門で2位に入賞しました。

20265月には、優秀な学生と指導教員を表彰する式典も開催され、先述の2つのコンテスト以外でも、

国内外のさまざまな大会で成果を挙げた学生と指導教員が表彰されました。

ホーチミン市校工科大学の著名な卒業生


ホーチミン市校工科大学はベトナムのトップ校ということもあり、卒業生は様々な分野で活躍しています。

本記事では、政治、研究、民間企業の3つの異なるフィールドで活躍する、4名をピックアップしました。

 

Tran Luu Quang(チャン・ルー・クアン)

ホーチミン市党委員会書記です。20231~20248月にかけて、ベトナムの副首相を務めました

また、2020年~2025年までの任期で、ホーチミン市校工科大学の理事会メンバーとして活動しました。

 

Duong Quang Trung(ズオン・クアン・チュン)

カナダ・ニューファンドランドのメモリアル大学およびイギリス・ベルファストのクイーンズ大学の教授です。

電気通信、コンピュータ工学、5Gおよび6Gネットワークの分野で著名な科学者であり、

国際電気電子学会(IEEE)が発行する一流科学誌の編集長に任命された初のベトナム人です。

 

Dang Thi My Dung(ダン・ティ・ミー・ズン)

ホーチミン市校工科大学出身であり、同大学ナノテクノロジー研究所の副所長です。

2026年版「アジアの科学者トップ100人」に選出されました。

ナノテクノロジーとナノインクジェット印刷における先駆的な研究、マイクロエレクトロニクス、環境モニタリング、バイオセンシングへの応用を推進した功績により、2024年コヴァレフスカヤ賞を受賞しています。

 

Tran Ba Duong(チャン・バ・ズオン)

自動車製造・組み立て、農業、機械工学など様々な分野で事業を展開するTHACOの設立者であり、取締役会長です。

ベトナムを訪れると、同社製のバスを至る所で見ることができます。また、同氏は2024年のフォーブス誌世界長者番付にランクインしています。

 

まとめ


ベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学は、ベトナムを代表する理系トップ大学の一つであり、

工学・情報・化学・電気電子など幅広い分野で高度な専門人材を育成しています。

国際教育認定の取得や、国内外で活躍する著名な卒業生の存在からも、教育水準と人材の質の高さがうかがえます。

ジャパンクリエイトでは、こうした優秀な理系人材日本企業をつなぐことで、技術人材不足の解決やグローバルな事業成長を支援してまいります。

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